子どもが食事中に座らず、立ち歩いてしまうと、つい「座って!」と叱りたくなりますよね。
しかし、叱るだけでは行動は一時的に変わっても、子ども自身が「なぜ座るべきか」を理解することはできません。
大切なのは、子どもが自分で気付き、行動を選べる力を育てることです。
本記事では、食事中に子どもが座らない・立ち歩くときに効果的な声かけや工夫、具体的な方法を解説します。
叱るのではなく導くことで、自然に食事マナーが身につきます。
叱るよりも“気づかせる”声かけを心がける
食事中に子どもが座らないとき、つい「座りなさい!」と指示してしまいがちです。
しかし、この指摘型の声かけは、子どもに受け身の行動を促すだけで、「自分で考えて座る」という体験は残りません。
大切なのは、子どもが自分で座る理由に気付く声かけです。
具体的には、次のように声をかけると効果的です。
- 「お腹が温かくなるとご飯がもっと美味しいね」
- 「椅子に座るとスプーンも使いやすいね」
- 「座って食べるとジュースもこぼれにくいね」
このように、叱るのではなく、座るメリットを伝える声かけをすることで、子どもは「なるほど、自分で座るといいんだ」と納得します。
この気付きが、次回以降も自然に席に座れる行動につながり、食事マナーを無理なく身につけることができます。
環境や道具で座る習慣をサポートする
声かけだけでなく、環境や道具を工夫することも、子どもが食事中に座らない・立ち歩く問題を改善するポイントです。
座ること自体を快適で楽しいものに変えることで、自然に席に落ち着くようになります。
具体的な工夫例は以下の通りです。
- 足がつく椅子や踏み台を用意する
- キャラクター付きのランチマットや椅子シートを使う
- お皿やカップを子どもが扱いやすいサイズにする
- 「今日はお皿を配る係」など小さな役割を与える
これらの工夫は、子どもに座ることのメリットを体験させる効果があります。
環境が整うと、座ることが苦痛ではなく楽しい体験に変わり、食事中の立ち歩きを減らすことができます。
また、自分で環境を活用して座る行動を選べるようになるため、自己判断力も育ちます。
ゲーム感覚や具体的な理由で習慣化する
子どもは遊びや具体的な理由に反応しやすいため、ゲーム感覚や論理的な理由付けを活用すると、座る習慣を定着させやすくなります。
- 遊び感覚で座る
- 「座ったままスプーンですくえるかな?」
- 「お箸で何個取れるか競争しよう」
- 具体的な理由で座る意義を伝える
- 「立つとジュースがこぼれちゃうね」
- 「座るとご飯がちゃんとお腹に入るね」
- 食事後の楽しみを示す
- 「ご飯のあとにデザートタイムだよ」
これらの方法は、叱らなくても座ることの価値を理解させ、子ども自身が判断して行動できるように導きます。
立たないことを管理するのではなく、自分で座ることを選べる習慣を作ることが、長期的に見て食事マナーを身につけるポイントです。
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まとめ
子どもが食事中に座らない・立ち歩くとき、叱るだけでは根本的な改善にはなりません。
大切なのは、子ども自身が座ることに気付き、自分で選ぶ力を育てることです。
声かけや環境づくり、遊び感覚や具体的な理由付けを活用することで、自然に座る習慣を身につけられます。
子どもが「自分で座るといいことがある」と理解する体験を積み重ねることで、食事マナーだけでなく、自分で考えて行動する力も育ちます。

