子どもの健やかな成長には、栄養バランスの取れた食事だけでなく、家族と一緒に楽しい食事の時間を過ごすことも大切です。
しかし、現代の忙しい生活の中で、テレビを見ながら食事をすることが増え、家族での会話が減ってしまうことも少なくありません。
今回は、テレビを見ながらではなく、家族で会話をしながら食事をすることのメリットを7つご紹介します。
【1. 家族の絆が深まる】
家族で会話をしながら食事をすることで、日々の出来事や感じたことを共有できます。
でも、どのような話題をあげればいいのかわからない…
そんな方のために話題の選び方を紹介します。
話題の選び方
日常の出来事について話す
- 学校であった出来事や友達との話、親の仕事の話など、身近な話題を共有する。
- 例：「今日学校で何をしたの？」「友達とどんな遊びをしたの？」
感謝の気持ちを伝える
- 家族に対する感謝の気持ちやお礼を言う。
- 例：「今日の夕食、とても美味しかったよ。ありがとう。」と親が感謝の気持ちを伝え合う姿を見せることも大切です。
将来の計画や夢について話す
- 休日の予定や旅行の計画、将来の夢や目標について話す。
- 例：「次の週末はどこに行きたい？」「将来は何になりたい？」
楽しい思い出を共有する
- 過去の楽しい出来事や家族での思い出を振り返る。
- 例：「去年の夏休みの旅行は楽しかったね。次はどこに行こうか？」
子どもへの声の掛け方
オープンクエスチョンを使う
- はい・いいえで答えられない質問(オープンクエスチョン)をすることで、子どもが自由に話せるようにする。
- 例：「今日一番楽しかったことは何？」「学校でどんな友達ができた？」
肯定的なフィードバックを与える
- 子どもの話に対して肯定的な反応を示し、自信を持たせる。
- 例：「それは素晴らしいね！」「よく頑張ったね。」
関わり方の工夫
目を合わせて話す
- 食事中はテレビやスマホを避け、子どもと目を合わせて話すことで、真剣に話を聞いていることを示します。大切なことですね。
聞き役に徹する
- 子どもが話している間は、途中で口を挟まずに最後まで聞く。適度な合いの手や頷きで興味を示す。
共通の関心を持つ
- 子どもが興味を持っていることに対して、親も関心を持ち、一緒に話題にする。
- 例：「最近読んでいる本は何？」「新しいゲームはどんな内容？」
家庭内のルールを話し合う
- 家族全員で家庭内のルールや役割分担について話し合うことで、責任感や協力の精神を育てる。
- 例：「食後の片付けはみんなで協力しよう。」「家族会議を定期的に開こう。」
これらの方法を取り入れることで、家族の絆が深まり、子どもとのコミュニケーションが豊かになります。食事の時間を大切にし、家族全員で楽しい会話を楽しみましょう。
具体的には、子どもが学校であった出来事を話したり、親が仕事の話をしたりすることで、お互いの理解が深まります。
また、家族全員が関心を持って話を聞くことで、信頼関係が築かれ、安心感が生まれます。
例えば、週末に家族全員で一緒に食事をする習慣を持つことで、日々の忙しさの中でも絆を深める時間を確保できます。
【2. 子どもの言語能力が向上する】
食事中の会話は、特に小さな子どもにとって言語能力の発達に非常に有益です。
具体的には、家族との対話を通じて新しい語彙や表現を学びます。
親が子どもに質問を投げかけたり、子どもの話にフィードバックを与えたりすることで、会話のスキルが向上します。
例えば、毎日の食事の際に「今日は学校でどんなことをしたの？」と質問するだけでも、子どもは自分の考えを整理して話す練習ができます。
食事中の親子の会話が小さな子どもの言語能力の発達に有益である理由はいくつかあります。以下に詳しく説明します。
言語モデルとしての親
自然な言語環境
- 親との会話は、教科書や教育番組とは異なり、自然で日常的な言語環境を提供します。これは、子どもがリアルな文脈で言葉の意味や使い方を学ぶのに最適です。
- 例えば、親が「今日はお仕事で何をしたの？」と話しかけることで、子どもは質問の形式や答え方を学びます。
語彙の増加
- 家族との会話は、多様な語彙や表現に触れる機会を提供します。親が使う言葉やフレーズを聞くことで、子どもは新しい語彙を習得し、言葉の使い方を学びます。
- 例：「この野菜はブロッコリーと言って、ビタミンCが豊富なんだよ。」というように、新しい単語とその意味を学びます。
双方向のコミュニケーション
質問と応答の練習
- 食事中の会話は、親が子どもに質問をし、子どもが答える形式が多く、これが質問と応答のスキルを向上させます。子どもは自分の考えを整理して言葉にする練習ができます。
- 例：「今日は学校で何をしたの？」という質問に対して、子どもが「友達と遊んだよ。」と答える練習を通じて、表現力が向上します。
フィードバックの提供
- 親は子どもの発言に対してフィードバックを与えます。これにより、子どもは自分の言葉の使い方や発音を修正し、より正確な言語を習得します。
- 例：「それは面白いね。でも、友達の名前はなんだったっけ？」と促すことで、詳細な表現を引き出します。
社会的スキルの向上
ターンテイキング
- 会話の中で、お互いに話す順番を守る「ターンテイキング」を学びます。これは、社会的なコミュニケーションの基本であり、対話の流れを理解するのに役立ちます。
- 例：親が話し終わるのを待ってから、自分の話をすることで、順序よく話すスキルが身につきます。
共感と理解
- 会話を通じて、他者の気持ちや視点を理解する力が育ちます。親が子どもの話に共感し、感情を共有することで、子どもは他者の感情に対する理解力を高めます。
- 例：「その出来事は悲しかったね。僕もそんなことがあったよ。」と共感を示すことで、感情表現の方法を学びます。
認知的発達
抽象的思考の促進
- 食事中の会話は、具体的な事実だけでなく、抽象的な考えや未来の計画についても話す機会を提供します。これにより、子どもは抽象的思考や想像力を鍛えます。
- 例：「夏休みにどこに行きたい？」という質問を通じて、未来について考える力を育てます。
問題解決スキルの強化
- 家族で問題や課題について話し合うことで、子どもは問題解決のプロセスを学びます。これは、論理的思考や決定力の発達に寄与します。
- 例：「明日の遠足の準備を一緒に考えよう。」といった実践的な課題に取り組むことで、計画立てのスキルが向上します。
エモーショナルセキュリティ
安心感と自信の構築
- 親との会話を通じて、子どもは安心感を得て、自信を持つことができます。親が子どもの話を丁寧に聞き、肯定的に受け止めることで、子どもは自分の考えや感情を表現することに自信を持つようになります。
- 例：「それは素晴らしいアイディアだね。」という肯定的なフィードバックが、子どもの自信を育てます。
これらの要素が組み合わさることで、食事中の親子の会話は、子どもの言語能力の発達に非常に有益な時間となります。
親は意識的に話しかけ、聞く姿勢を大切にしながら、子どもとの会話を楽しむことが重要です。
【3. 良い食習慣が身につく】
家族で食事をすることで、食べることの楽しさや食事のマナーを学ぶ機会が増えます。
具体的には、正しい姿勢で食べる、食器の使い方を覚える、口に食べ物を入れたまま話さないなどの基本的なマナーが身につきます。
また、家族全員でバランスの取れた食事を楽しむことで、健康的な食生活の基礎が築かれます。
例えば、毎日の食事の際に「いただきます」や「ごちそうさま」を言う習慣を持つことが良い食習慣の一環です。
【4. 健康管理がしやすくなる】
家族で食事を共にすることで、親は子どもの食べる量や内容をしっかり把握することができます。
具体的には、子どもが十分な栄養を摂取しているか、偏食していないかを確認できます。
また、子どもの食事の好みやアレルギーに注意を払うことも容易になります。
例えば、食事の際に「今日はどんな野菜が好きだった？」と聞くことで、子どもの食の好みを理解し、健康的なメニューを考える助けになります。
【5. ストレスの軽減】
家族との会話はリラックスした雰囲気を作り出し、子どものストレスを軽減する効果があります。
具体的には、学校や友人関係の悩みを家族と共有することで、精神的なサポートを得られます。
家族が話を聞いてくれることで、子どもは安心感を感じ、ストレスが緩和されます。
例えば、夕食の時間に「今日は何か困ったことがあった？」と聞くことで、子どもが心を開いて話すきっかけを作ることができます。
【6. 社会性が育つ】
食事中の会話は、子どもにとって社会性を育む場でもあります。
具体的には、自分の意見を言ったり、他人の意見を聞いたりすることで、協調性や思いやりの心が育ちます。
例えば、家族全員が話す機会を持ち、お互いの話に耳を傾けることで、コミュニケーションのスキルが向上します。
また、意見の違いがあった場合には、話し合いを通じて解決する力も身につきます。
【7. 食事が楽しくなる】
家族と会話を楽しみながら食べることで、食事そのものが楽しい時間となります。
何よりもこれが一番大切なことです。
具体的には、笑いや冗談を交えた会話が食卓に笑顔をもたらし、食欲が増します。
子どもは楽しい雰囲気の中で食事をすることで、より多くの食材を試してみたいという意欲が湧き、食の幅が広がります。
例えば、「今日は何が一番美味しかった？」と聞くことで、子どもが積極的に食事に興味を持つようになります。
【まとめ】
家族で会話をしながら食事をすることには、多くのメリットがあります。
子どもの成長や健康、家族の絆を深めるためにも、食事の時間を大切にしましょう。
忙しい日常の中でも、意識的に家族との対話を取り入れることで、豊かな食生活を実現できます。
テレビを消して、家族の声に耳を傾ける食事の時間を楽しんでみてください。
