昔から「朝の果物は金、昼は銀、夜は鉄」ということわざがあるように、果物を朝食べると良いと言われていますよね。
では、なぜ朝に果物を取るのが良いのでしょう?
今回はなぜ朝に果物を食べると良いのか?果物を摂るメリット・デメリットについて、お話したいと思います。
【果物を食べるメリット・デメリット】
果物にはビタミン・ミネラル・食物繊維といった栄養が含まれていて、体に良い食べ物です。
しかし良いことだけではありません。
果物には「果糖」という糖が含まれているのです。
この「果糖」、普通に摂るぶんには問題ないのですが、摂りすぎてしまうと、「中性脂肪」が増えて脂肪肝になりやすくなることが、研究で分かって来たそうです。
《脂肪肝》
肝臓の機能が落ち、やがて肝臓がんにも進む状態。
しかも最近では、小学生の子どもでも、この「脂肪肝」が増えてきているそうです。
また、果糖の摂り過ぎは糖尿病のリスクもあげてしまいます。

それなら果物を食べない方がいいの?
そんなことはありません。せっかく栄養が豊富な果物、摂らないのはもったいないですよね。
そこで気をつけたいのが、食べる時間帯と、果物の種類です。
それでは詳しく解説していきますね。
【果物はいつ・何を食べるか】
まず果物を食べる時間帯ですが、朝食に食べるのが一番です。
1日にエネルギー源としてしっかり活用できるからです。
果物は朝に食べるのが良い
- 朝は果物を食べるのに最適な時間帯です。朝は腸内環境を整え、便秘を解消するのに適しています。朝食に果物を摂取するか、朝食の30分前に果物を食べることをおすすめします。
- 果物は消化が速く、30分ほどで腸に到達します。果物の果糖はすばやくエネルギーに変わります。良い栄養素を1日の中で活用することができます。
光毒性(ひかりどくせい)に注意
ただ、朝の果物選びで注意しなくてはいけないのが光毒性(ひかりどくせい)です。
光毒性とは「紫外線にあたると肌にトラブルが起こること」です。「ソラレン」という成分を含む物を食べてから紫外線を浴びると、紫外線をいつもよりも多く吸収してしまうのです。ソラレンを含む果物は夕方以降に摂取することをおすすめします。
シミなどの肌トラブルを避けるためには、ソラレンを含む果物は、朝ではなく夕方以降がおすすめの時間帯となります。
ソラレンを含むので夕方以降がおすすめの果物
- グレープフルーツ
- オレンジ
- レモン
- みかん
- パイナップル
- アセロラ
おすすめはバナナとキウイフルーツ
おすすめの1つは「バナナ」です。甘すぎず、ある程度の重量があるバナナは、朝食に摂ることで腸の活動を活発にして、お通じを促してくれます。
便秘改善・肥満改善・高血圧などの改善が見られたという研究結果も出ています。
もう1つは「キウイフルーツ」。キウイフルーツに含まれる水溶性食物繊維で腸内環境が改善し、酪酸(らくさん)という免疫調整・抗酸化作用など健康維持に欠かせない短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)が増えると言われています。
キウイの栄養や健康効果などについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
大切なのは、甘すぎない果物を朝に摂ることです。
プラムや抗酸化作用がとても高いラズベリー、ブラックベリー、ブルーベリーなどもおすすめです(少し高価になりますが)。
その他ソラレンが少なく朝でも安心の果物
- リンゴ
- いちご
- スイカ
- もも
- ぶどう
【便秘を解消したい方におすすめ】
それでは、キウイと一緒に摂取すると便秘解消効果を高めることのできる食材を紹介します。
キウイは食物繊維が豊富で、特に水溶性食物繊維が含まれています。
便秘解消効果を高めるためには、キウイを以下の食品と一緒に摂取するのが効果的です。
①ヨーグルト
- ヨーグルトに含まれるプロバイオティクス(善玉菌)は、腸内の健康を保つために重要です。善玉菌は腸内環境を改善し、消化を促進するため、キウイと一緒に摂取すると、便通がスムーズになります。
- キウイの食物繊維とヨーグルトのプロバイオティクスの相乗効果で、腸内のバランスが整い、便秘解消に役立ちます。
②オートミール
- オートミールは不溶性食物繊維が豊富で、腸内の内容物を増量し、腸の動きを活発にします。不溶性食物繊維は腸の蠕動運動を促進し、便を柔らかくする効果があります。
- キウイの水溶性食物繊維とオートミールの不溶性食物繊維の組み合わせにより、消化器系全体の働きが改善され、便秘解消が期待できます。
③ナッツ
- ナッツは健康的な脂肪と食物繊維を含んでおり、腸内の滑りを良くし、便がスムーズに移動するのを助けます。また、ナッツの脂肪分が腸内の潤滑を助けるため、便秘の予防に役立ちます。
- キウイとナッツを組み合わせることで、食物繊維の摂取が増え、腸内の動きがさらに活発になります。
④水
- 十分な水分摂取は、食物繊維が腸内で効果的に働くために不可欠です。水分が不足すると、食物繊維が固くなり、便秘を悪化させることがあります。
- キウイの食物繊維と適切な水分摂取を組み合わせることで、便が柔らかくなり、スムーズに排出されるようになります。
これらの食品とキウイをバランスよく摂取することで、便秘解消効果が高まり、腸内環境が整うことが期待されます。
【夜に食べるのがおすすめの果物がある!】
基本的には果物をより効率的に摂るには、朝や昼の日中の時間帯が理想です。
特に糖質の多い果物を食べる場合は、すぐにエネルギーに変えることができる運動前や朝食時に食べることが望ましいです。
反対に避けたい時間帯は、夕食後や夜寝る前です。
体脂肪として身体に蓄積される可能性が高くなってしまうからです。
また、夕食後の満腹状態の時に食べると、果物が消化しきれず、腹痛の原因になる可能性もあります。
夕食後や夜寝る前に、果物を食べるのは避けたほうがいいでしょう。
しかし!
夜に食べるのをおすすめする果物もあるのです!
それは先ほども挙げた「キウイフルーツ」です。
《夜キウイをおすすめする理由》
腸のはたらきが一番活発になるいわゆる「腸のゴールデンタイム」が午前0時頃と言われています。
寝る1時間ほど前に常温のキウイフルーツ1個か2個を常温のコップ1杯の水と一緒に食べることが効果的です。
すると腸のゴールデンタイムにキウイが消化されます。そこでキウイに含まれる酵素「アクチニジン」が肉や魚のたんぱく質を分解・消化・吸収してくれます。
キウイが消化を助けてくれることで、疲労回復・ダイエット・美肌づくりが促進されるというわけです。
アクチニジンが多いのはグリーンキウイ。夜食べるならグリーンキウイがおすすめです。
【果物の1日の摂取量】
果物は、1日にどのくらい食べるといいのでしょうか。
厚生労働省では1日の果物の摂取量として約200gが推奨されています。
果物100gの量の目安は以下の通りです。
- みかん:1個
- キウイフルーツ:1個
- 梨:1/2個
- バナナ:1本弱
うまく組み合わせて、1日200gになるように摂取していきましょう。
適量を守り、食べすぎないように気をつけて下さいね。
【まとめ】
今回はなぜ朝に果物を食べると良いのか?果物を摂るメリット・デメリットについて書きました。
朝、バナナやキウイフルーツを取り入れるだけ、簡単ですよね。
子どもだけでなく、大人も実践することで良い効果が得られると思います。
朝食に果物をうまく取り入れて、良い1日のスタートを切りましょう!